校倉の特徴
名前 |
校倉 |
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ジャンル |
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電話番号 |
075-981-3001 |
住所 |
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HP | |
評価 |
4.1 |
石清水八幡宮社殿の北西の角、信長塀(築地塀)の北西の角に建っている建物が、高床式倉庫の校倉(あぜくら)=宝蔵(ほうぞう=宝物や経典をしまっておく蔵)である。この校倉の建築年代は明確になっておらず、現時点では不明とされているのだが、文書や絵図などにより江戸時代中期から存在していると考えられおり、石清水八幡宮の社殿構成を考える上で重要な建物であることは間違いなく、平成21(2009)年3月に石清水社・石清水井とともに京都府指定文化財に指定されたのである。元々、その場所には経蔵「きょうぞう=寺院の中で、一切経(いっさいきょう)などの経典を納めておく蔵、経堂、経楼」が建っていたが、建武年中(1334~1338年)に火災に遭ったとも伝わっている。この校倉は、桁行3間(=間口の柱間が3間、約5.5m)、梁間2間(=奥行きの柱間が2間、約3.6m)、入母屋造【いりもやづくり=中国および日本建築における代表的な屋根の形式の1つで、寄棟造「よせむねづくり=屋根の形式の1つで、四注屋根(しちゅうやね)ともいう。大棟(おおむね=屋根の頂部の水平な棟)の両端から四隅に降り棟が降下している屋根で、2つの台形と2つの二等辺三角形とで構成される」の上に切妻造(きりづまづくり=屋根を棟から両側へふきおろし,その両端を棟と直角に切ったもので、本を開いて伏せたような形)を載せた形で,切妻造の四方に庇(ひさし)がついてできたもの】、本瓦葺(ほんかわらぶき=丸瓦と平瓦を交互に積んだもの)の建物である。概観は東柱上に土台を置き、この上に厚みの薄い三角断面の校木を組んでおり、内部は東柱の位置に半柱を建て、柱内を板張りとし、全体に棹縁天井「さおぶちてんじょう=木造住宅に最も普通に用いられる和風天井の1つで、棹縁という細い横木を30~60cm(普通45cm)間隔に設け,その上に天井板を棹縁と直角方向に張った天井であり、棹縁の方向は床の間と平行にするのが普通とされている。」を設けている。特徴は、内部の半柱が軒桁「のきけた=建物の長手方向に配置される構造部材で、垂木を受けて屋根屋根を支えるものであり、胴差しは2階の荷重を支えるので、大きな断面部材になることが多いが、軒桁は屋根の荷重だけを支えるので、それほど大きな部材にはならないことが多い。入側や独立柱に支えられた庇などで使われる軒桁は、化粧丸太の丸桁が使われることもある。」を支え、校木が装飾材に近い扱いになっていること、また、桁下に組物を用いず、簡素な建物になっていることで、類例の少ない校倉建築として貴重なものである。