国指定文化財で味わう、山村の歴史。
白山麓の山村民家の特徴
国指定重要民俗文化財で歴史を感じられるお店です。
窓が壊れている独特な風情が魅力的な場所です。
白山麓の自然を背景にした地域の貴重な文化財です。
加賀市にある白山麓の山村民家は、豪雪地の山村生活を物語る国の重要有形民俗文化財で、囲炉裏上の乾燥装置アナアマボシダイを備える。白山麓には「白山と富士山の背くらべ」と呼ばれる伝説が残る。昔、どちらが高いかを決めるため、山頂から水を流す競争が行われた。水は富士山から白山へと流れ、白山の方が低いことが明らかになりかけたが、白山側の人々はわらじを山頂に積み、同じ高さになったと主張したという。この伝承は、白山信仰の影響を強く受けた山麓の集落で長く語られてきた。白山に登る登拝者が片方の草鞋を奉納する風習は、この逸話に由来するともいわれる。このような信仰と伝承が根づく白山麓地域には、古くから焼畑農耕や炭焼きなどの山村生活が営まれてきた。加賀市山田町に所在する「白山麓の山村生産用具及び民家」は、そうした暮らしの実態を伝える貴重な民俗文化財である。1977年に2,638点の山村生産用具が、1980年に住宅1棟とその家付き用具97点が国の重要有形民俗文化財に指定された。収蔵者である伊藤常次郎は、石川県小松市の旧新丸村小原出身の民俗収集家で、白山麓の広範囲にわたる民具を30年にわたり収集し、地域の生活文化を記録した。収集対象は、石川県内の白峰・尾口・鳥越・新丸の各村に加え、福井県や岐阜県の隣接地域にも及び、山村に固有の生業を反映した用具類を網羅する。対象の民家は、もともと小松市新保町にあった春木作治家住宅の主屋で、1979年に現在の加賀市中央公園内へ移築された。木造寄棟造、茅葺、妻入形式で、三方に杉皮葺の庇をめぐらす。間口約6.66メートル、奥行約11.55メートルの堂々たる構えを持ち、内部は「オエ(居間)」「デイ(出居)」「ナンド(納戸)」の三間取りを基本とし、寝所にあたる「シモネドコ」も備える。このシモネドコには、床下に掘られた穴と、床上に張り出した梁状の乾燥棚「アナアマボシダイ」が組み合わされており、囲炉裏の熱を活用してヒエやアワなどの穀物を乾燥させる仕組みとなっている。この構造は、焼畑農耕に依存していた白山麓の生活の知恵を物語るものとして注目されている。民具の収集は、過疎化や災害、ダム建設によって消滅の危機にあった山村文化を記録・保存する目的で進められた。伊藤の収集は、生活用具や山仕事、炭焼き、養蚕、狩猟、木工、染織など多岐にわたり、例えばマタイブリ(麻苧打ち具)、タテゴシキ(稲の干し具)、スミイレ(炭の運搬具)、ママジャク(炊事具)、テギネ(餅つき用具)など、用途別に分類された道具が含まれている。こうした資料群と共に民家本体も保存された背景には、白山麓における「出作り」文化の存在がある。山村では、里に居住する本家の農民が夏季に山へ移動して焼畑を行い、簡易な小屋に寝泊まりすることがあった。この出作り小屋(ネゴヤ)はやがて永住型の住宅へと発展し、集落の常住化につながった。旧春木家住宅は、そうした生活形態を反映した典型的な山村民家であり、馬屋や釣棚を備えた土間など、厳しい自然環境に即した建築工夫が随所に見られる。この民家の移築先である加賀市山田町の中央公園には、「山村民家」として整備され、内部に民具が常設展示されている。見学は自由で、白山麓の伝統的な生活空間と道具類を一体として体感できる。冬季には深い雪に覆われ、白山山麓の原風景が再現される。同様の民具・民家資料は、白山麓西谷地域(旧新丸村・鳥越村)においても「白山麓西谷の人生儀礼用具及び民家」として国の重要有形民俗文化財に指定されている。こちらは婚礼や葬儀、出産など人生儀礼に用いられた用具1,827点と、鳥越村相滝から渡津を経て小松市内に移築された寄棟茅葺民家1棟から成り、西谷の文化的背景を補足する資料群である。比較対象としては、同じく春木家の旧宅を移築したとされる那谷寺普門閣(小松市那谷町、登録有形文化財)が挙げられる。この建物は1965年に移築され、現在は寺院の客殿として使用されている。また、白山市白峰の白山ろく民俗資料館には、出作り民家として旧小倉家住宅(重要文化財)をはじめとする茅葺民家群が保存されており、白山麓の民家文化を広域的に比較することが可能である。白山信仰を背景とする地域文化と民家の保存は、現在も継承が続けられており、焼畑習俗も1985年に記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財として選定されている。これにより、山村生活の実態と精神文化の両面から白山麓の民俗世界を多面的に理解することが可能となっている。なお、伝承や昔話についても、各旧村の村史や保護センターによって再整理が進められており、「灰まき爺」や「飛騨の婆さと白山の神」などの物語も、白山麓の民家文化を彩る語りとして今に伝えられている。白山麓の山村民家は、ただの建物ではない。焼畑を基盤とした山村のくらし、信仰と結びついた人生儀礼、自然との共生を体現する知恵の結晶である。その保存と展示は、過去の山村文化を一過性の記録にとどめず、現代に生きる資料として継承する価値を持っている。
国指定重要民俗文化財に指定されています。
| 名前 |
白山麓の山村民家 |
|---|---|
| ジャンル |
|
| HP | |
| 評価 |
3.3 |
| 住所 |
|
|
ストリートビューの情報は現状と異なる場合があります。
|
周辺のオススメ
ホォ〜なるほど窓壊れてるの気になりますな。