引田の阿弥陀堂、子ども好き観音。
引田阿弥陀堂の特徴
引田阿弥陀堂では鈴谷観音も見逃せないポイントです。
子ども好きの観音さまが祀られている特別な場所です。
オープンな雰囲気が心を和ませる阿弥陀堂です。
オープンな感じの阿弥陀堂。本尊がよく見えるようになっているのは、珍しいのではないかと思う。それには訳があって、ここに祀られる観音様が子供がとても好きで、いつでも子供と遊べるように、このようになっているそう。いいお話だなと思いました。
【引田の阿弥陀堂】 いつの頃からか知らないが、引田のあみだ堂には、子ども好きの観音さまが祀られている。ある時、近所の子どもたちが、この観音さまを持ち出して前の田んぼで、わいわい遊んでいた。観音さま えらいな 観音さま 遊ばんしょ。観音さま 仲よしだ おれんたちと 遊ばんしょ。子どもたちは、大声で歌いながら観音さまを縄でしばり、田んぼの中を引きまわしてすっかり仲よしになっていた。「こらッ子ぞうん等、なんでそんないたずらするだ。ばちがあたるぞ」通りかかった村人が大声でどなった。「お前んとうは、何んてえことするだあ。早くもとんとこへ祀っておけ」子どもたちは驚き、観音さまをあみだ堂へ放り込んで、くもの子を散らすように逃げて行った。 ところが、どうしたことかその後、子どもをたしなめた村人は、病気になって大へん苦しんだそうな。「こりゃあひょっとすると、あの観音さま、子どもんたちと一緒にもっと遊びたかったに違いないな」「ばちはこっちへあてられたかな」「どうも、すまんことしちゃったな。……………すみません、すみません「これからは、子どもんたちとたんと遊んでおくれましょう。 どうかお頼み申します。………………なんまいだ、なんまいだ」それから、村人の病気はすっかりよくなって、子どもたちも、いつものように観音さまと一緒に楽しく遊べるようになった。 子どもたちと観音さまが遊んでござると、村人たちはその様子をながめてはにこにこしていた。ところが、ある年大風が吹いてお堂が倒れてしまった。村人たちは、さっそく新しいお堂を建てて、観音さまをお祀りしたが、扉を固くしてだれも入れないようにしたため、子どもたちも自由に入って遊べなかった。それから引田は大風が吹けば荒れ、作物はとれず、悪病がはやったりして人々は大へん苦しんだ。「こりゃあ又、観音さまがご気げんを損ねたらしい。 ご無礼なことをしたもんだ」「早く扉をとっちまえ」「そうだ、そうだ」と、さっそく扉をとりはらった。 子どもたちは又、観音さまと一緒に遊べるようになった。子ども好きの観音さま、…………顔がよごれ、鼻が欠け、手足がちぎれてもにこにこしてござる。今でもここで遊んでいる子どもをしかる者はだれもいない。「東栄の民話」(東栄町教育委員会 発行) より。
名前 |
引田阿弥陀堂 |
---|---|
ジャンル |
/ |
住所 |
|
評価 |
4.0 |
周辺のオススメ

鈴谷観音をお忘れなく。