文化財・十一面観音を訪ねて。
県指定有形文化財 (彫刻) 十一面観音立像昭和四十年二月二十四日指定一木造、漆箔、一躯、像高百四十一センチメートル。像容は高い宝髻、面長な面相、心持ち腰を左にひねり、姿に変化をもたせている。折り返して2段に設けた裳が複雑な衣文をつくり、それが下方に長く垂れて刻む彫り口など、宋風の影響が強くみられ、制作年代は鎌倉時代と思われる。天冠台上の化仏はすべて失われている。技法・表現とも地方化がみられ、在地仏師の造立であろう。 この十一面観音は、かつてこのあたりに置かれた長法 (峯) 寺にあったものと伝えられる。平成ニ十一年二月 石岡市教育委員会。
名前 |
長法寺十一面観音堂 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
4.0 |
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十一面観音は室町時代頃から存在していた『長法寺』に安置されていたと伝えられている。明治3年(1870)の火事で焼失。この辺りは長法寺町という名で呼ばれていたが、宝永年間(1704-1711)に佳名をとって若松町と改名、昭和まで使用された。また、柿岡街道と宇都宮街道が合流する地点(追分石)が北の三叉路にもあり、馬頭観音石碑があるように馬の集積地にもなっていたという。馬場観音石碑は今の場所に移設したと思われる。長法寺は子供がその縁の下を立って歩けるくらい大きな寺院であったとされるが、今はその面影は残されていない。