高台で感じる風通しの良い神社。
式内社である。この地は蘇我馬子が作った石川精舎の跡と言われているが、定かではない。当社の前にある池は石川池と呼ばれているが、日本書紀によると応神天皇代に農業用水確保のために作られた剣池であり、正確にはその奥にある剣池嶋上陵の周濠ではないことになる。
名前 |
大歳神社 |
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ジャンル |
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住所 |
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HP |
http://www.jinja-net.jp/jinjacho-nara/jsearch3nara.php?jinjya=34088 |
評価 |
3.5 |
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高台に開けた風通しのいい神社さんです。アクセス良好ですが、専用駐車場はない模様。祭神は大歳倉稲魂命/オオトシクラムスビさん。息子の大山咋神/ヤマクヒさん。ソサノヲさんとイナタ姫の第六子とされる大歳さん。他方、母が神大市姫さんの話もあり、謎めきます。弟の一言主さんは父ソサノヲさんにかなり近かったようですが、大歳さんはむしろ、伯父嫁のセオリツ姫ホノコさんと昵懇の仲にあったようです。息子の竃尊ことオキツヒコ夫婦(滋賀・筑摩神社主祭神御食津大神)の仲がうまくいかないので、度々伊雑宮のホノコさんの元を訪ねては相談していたといいます。心配したホノコ姫。夫婦のもとへ出向き、真経津の鏡(曲がりを正して人と成す鏡)を二人に翳します。するとニステ竃(煮えて吹きこぼれた竃)、ツクマ鍋(付く、離れる親疎の鍋)が二人に変わって映し出されたそうです。この真経津の鏡、心の内を映しだすどえらいもの。内面を見せられることにより、ハッとさせられ、当人たちは内省に傾き、改善の方向へと向かえさせられるものだそうです。その後は夫婦仲睦まじく過ごされ、オキツヒコさんは諸国を巡回。”清かの道”(陽陰上下極端に振れず常中庸であるさま)を説き、啓発活動に尽力されたといいます。この功績をアマテル神に認められ、カマドカミの名を賜ります。大歳さん、ホノコさんが相談相手だなんてよほどすごい方だったんですね。アマテル神、ホノコさん、大歳さんと、とても良好な関係だったことが、覗えます。となると大歳さんの母かもしれぬ神大市比賣はサクラウチ筋の方なのか。ホノコさんに近い方なのかな。のちホノコさんは、オキツヒコ夫婦を契機に万民にも、何か問題があればこの鏡を使って改善の方向へ進んでもらえるようにと、真経津の鏡を伊勢の二見岩に置いたそうです。今こんなことすれば、靖国神社に落書きする方々がこの鏡を放っておかないでしょうね。後世、真経津の鏡はホノコさんの庇護のもと、日前國懸神宮で祀られているものと思われます。