南アルプスの伝嗣院、石仏の神秘。
南アルプス市上宮地にある伝嗣院の石造大日如来座像だ。当地周辺は西北西にある伝嗣院(寺院)の管轄地であった頃に安置祭祀された。南アルプス市教育委員会が設置した案内板には「富士山を向いて」と表現されているが、正確には「富士山方面」といった曖昧な表現にして欲しい。当地から富士山は東南方向にあるが、大日如来座像は、ほぼ南方を向いているからだ。これまで大日如来座像の向く方向に拘ったのは、富士山信仰との関わりを探るためである。特に富士講などによって明治維新以前までは富士山の神は「木之花咲耶姫」ではなく、大日如来を中心とした八葉の仏が富士山を象徴していたので、当地の大日如来座像との関わりを調査した次第だ。従って、この大日如来座像は富士山信仰とは縁が深いとは言い難いと私的には結論づけた。
名前 |
伝嗣院の石造大日如来座像 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
4.8 |
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伝嗣院の旧寺領内にある石仏。1.6mの高さがある。宝永時代の作。この周辺から伝嗣院にかけては石仏が多く、また古い塚と思えるものがいくつもある。この石仏も無名塚の上に鎮座されている。すぐ隣接して亀型の大岩もある。石仏散策や桜・桃などの花見、甲府盆地を一望できる立地もあり、やや移動すれば富士山の眺めも楽しめる。