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この理髪店は、私の亡き父が好んで通った店である。店内は何の変哲も無いただの理髪店であるが、何か「昭和の床屋」を感じさせる。オバチャンは結構話好きで気さくである。当時は店主であるオバチャンと親戚のオジサンの2人で営んでいた。しかしもう2年ほど前になるだろうか、オジサンが急逝。以来オバチャン一人で営んでいる。とは言えオバチャンも高齢者。体力の衰えは否めない。故にお客様がいないと午後の3時頃に店を閉めて夕飯の買い出しに行ってしまう。何とも自由だ。もうひとつ特筆が有る。何歳になるのだろう。大きな全身茶色の看板娘ならぬ「看板猫」が店のショーウインドの上に鎮座している。丁度店の出入口を招き猫よろしく外に向かって座っている。オバチャンに聞くと、単に外に出たいとの事。私の父はこの猫が好きで、顔を見るために通った。オバチャンもあと何年店に立てるだろうか。今は令和であるが、そのなかに僅かに残った「昭和」がここに有る。