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【ひっそりとある馬頭観世音】馬頭観世音の信仰は奈良時代頃から存在していたが、いわゆる「ブーム」に火がついたのは江戸時代後半である。これには農村地帯に馬が普及し始め、馬が農作業や荷物運搬の重要な役割を担うようになったからである。まあ、馬なくしてはその時代の物流は成り立たなかったのだろう。各地には愛馬を供養するための石塔が建立され、これが地域ごとのお守りとなっていった。馬がいなければ生活が成り立たないほど、当時の人々にとっては馬はまさに金よりも貴重だったのである。事故や病気で亡くなった馬への供養はもちろん、旅の安全や五穀豊穣、平和を願う信仰もこれに結びつけられ、馬頭観世音への信仰はますます深まっていったのである。…それにしても、馬にこれだけの期待をかけるとは、馬も大変だったろうに、と思わずにはいられない。