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名前 |
大衆運動活動家顕彰之碑 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
3.0 |
石川県金沢市末広町にある大衆運動活動家顕彰之碑は、卯辰山公園内にひっそりと立つ、小ぶりながら重厚な意味をもつ記念碑だ。この碑は戦後日本、とりわけ石川県内で、平和と民主主義、教育や福祉、環境の向上のために力を尽くした人々を顕彰するために建てられたものである。2001年頃に石川県労働者福祉協議会や連合石川など、労働団体や市民団体が中心となって建立した。毎年勤労感謝の日である11月23日には、ここで亡くなった活動家を偲ぶ合祀追悼会が行われている。碑の近くに設置された説明板には、「汗と涙と闘いの歴史を継承し、運動の永遠を誓う」という強いメッセージが記されており、この言葉は彼らの活動がどれほど激しく、また深い意義を持つものであったかを物語っている。具体的に顕彰されている人物を紹介すると、旧石川1区選出で日本社会党の重鎮だった嶋崎譲(しまざきゆずる)氏や、北陸鉄道労働組合の指導者で総評(日本労働組合総評議会)の役員も務めた内山光雄(うちやまみつお)氏、石川県労働組合評議会議長を務めた手取正昭(てどりまさあき)氏らがいる。その他にも、小松製作所(コマツ)の労働組合を牽引した山岸政夫(やまぎしまさお)氏、織田保雄(おりたやすお)氏、全逓(全国郵便労働組合)で活躍した平田誠一(ひらたせいいち)氏、角谷正二(かくたにしょうじ)氏、石川県教職員組合委員長を務めた大浦与三吉(おおうらよさきち)氏など、多岐にわたる分野の活動家たちが含まれている。これらの人々は戦後の混乱期から高度経済成長期、そして平成にかけて労働者の権利向上や教育環境の改善、公害問題などの解決を目指して精力的に運動を展開した。彼らが労働環境の改善や公共サービスの維持、民主的な教育の推進、そして平和運動などに尽力したおかげで、現在の私たちの暮らしが守られ、向上してきたといっても過言ではない。卯辰山は歴史的な碑が多く集まる場所として知られ、この大衆運動活動家顕彰之碑もその一つとして貴重な存在となっている。特筆すべきは、個人の偉業だけでなく、無名ながら社会のために地道に活動を続けた市井の人々も含めて讃えているという点である。歴史に名前を残すことは少なくても、草の根の努力を重ね社会を支えた多くの人々をしっかりと顕彰しようとする姿勢が感じられる。また碑周辺には、江戸時代のキリスト教殉教者碑や世界平和を祈念した金沢仏舎利塔などもあり、この地が歴史的な意義を持つ多彩な碑の集まる特別な場所であることも付け加えておきたい。大衆運動活動家顕彰之碑は、決して派手なものではないが、石川県民の生活向上のために地道に活動を続けた先人たちへの敬意と感謝が込められている。碑を前にすると、こうした人々の努力や闘いの積み重ねがあって初めて、今の私たちの暮らしがあることを深く実感できる。ぜひ静かな時間に訪れて、先人たちの志に触れてみてほしい。