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名前 |
井堤荼蘼故址碑 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
3.0 |
「井堤荼蘼故址」とと刻まれた昭和三年の石柱です。「荼靡(ダビ)」という言葉が日本語ではないため一体何の石碑なのか混乱しますけど、簡単に言えば「昔から山吹の和歌が詠まれた古い場所」という意味の石碑です。それで石柱の側面にも「駒とめて猶水かはんや山吹の花の露そう井での玉川 俊成」と山吹の和歌が彫られているわけです。この玉川の土手には、今も桜だけでなく山吹がたくさん植えられていて、晩春にはたくさん黄色の花が咲いていますね。ちなみに、石柱に書かれた「荼蘼」というのは中国語で、中国原産のトゲトゲの白い花を指します。日本名はトキンイバラといい、江戸時代後期に日本に園芸植物で導入されたものです。一方、山吹は日本固有種で中国には生えていません。この石碑を作った三宅安兵衛は「山吹」を漢文風に読もうとして中国古典に山吹が無かったので、よく似た「荼靡」と呼んだのでしょう。今からみると、普通に石柱に「井堤山吹故址」と書けばいいものをと思いますが、昭和三年当時はそういう漢文風の難しい言葉を使うのが「カッコイイ」時代だったようです。この時期、漢文を使った石碑は他にもたくさんありますから。なお、「後醍醐天皇𦾔蹟是東一里半 田村新田」とは太平記にある「松の下露」の逸話のこと。現地には歌碑もありますよ。