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名前 |
十王免横穴群 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
5.0 |
山陰道の矢田ICの南側の工業団地の一画にある横穴墓(おうけつぼ)です。確実に見落としがちな場所にあるので、訪れる人も殆どいないと思うのですが、色々調べるとかなり興味深い史跡です。そもそも遺体を焼くという行為が仏教の生死観に基づくもので、仏教が伝来するまでは存在しない風習だったというのは、意外と多くの日本人に知れない事実かと思います。崖や斜面にトンネルを掘ってお墓とするこの特異な墓制は、古墳時代末期から奈良時代中頃まで続いた。つまり仏教の思想が浸透してくるにつれて消滅していったとも解釈できるのですが、神道に深く帰依している方は仏教的解釈を拒否して土葬を選択する事例が今尚あったりする。日本神話の描写にある亡くなったイザナミのグロテスクな姿は、もともとの人々は原野に放置しただけの風葬を行っていたと推測されるし、仏教というより衛生面から火葬が画一的に推奨される現代社会とは違って、社会階層の違いでも墓制が違っていただろう。墓制の推移から色々な事柄が見えてきます。あと面白いのが横穴墓は全国に偏在していて、北部九州と島根を中心とした山陰、そして伊豆から神奈川県にかけて、武蔵野の関東地方南部、常磐道から宮城県南部にのみ高密度で残っているってのが面白い。