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| 名前 |
中山 |
|---|---|
| ジャンル |
|
| 評価 |
3.0 |
| 住所 |
|
中山は、己を主張する山ではない。登りに取りかかっても、道は過度に人を試さず、ただ黙って次の一歩を促すのみである。だがこの山の値打ちは、実のところ足下よりも視線の先にある。登路の途中、ふと振り返ったとき、我拝師山が視界に収まる。急峻な岩肌を露わにし、先ほどまで身体を叩きつけてきたあの「壁」が、今度は嘘のように端正な姿で立っている。登っている最中には気付けぬが、あの山は離れてこそ最も美しい。険しさを越えた者だけが、造形としての我拝師を正しく見ることを許される。中山は、その景色を見せるためにある山のようだ。自らは一歩退き、過去に越えてきた山を舞台の中央へ置く。控えめでありながら、実に心憎い役回りである。山頂は静かで、人の気配も少ない。休もうとも急かされることはない。ここでひと息つくと、五岳縦走はすでに成功したものとして胸に収まる。中山とは、達成を確信させる場所である。