秋の327号線、篠森神社の歴史探訪。
昔、南予の一本松町の篠森に城を構えていた篠森一族が、土佐の長宗我部に攻められ当地に落ち延び、安住の地として長きに渡り住み続けて来たそうです。ですが、山深い当地にあった集落はやがて人が去り、平成7年に廃村になったそうです。集落から離れても、当地を永年守ってきたご先祖様を祀る当神社を心の拠り所として残すべく、寄付を募り綺麗に建て直しています。寄付の石碑には篠森姓が並び、当地から様々な地に去っていった記録にも読めます。神社周辺や川沿いには廃屋や畑の跡等が見え、昔年の様子が偲ばれます。
名前 |
篠森神社 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
5.0 |
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時折紅葉の季節に、327号線沿いの川筋の大イチョウを訪ねることがるが、かねてよりT字路のところに篠森神社へ1㎞という石標が気がかりであった。尋ねてみなくてはと思い立ち、日も暮れかけた時間に道をあがってゆく。細く曲がりくねった道の終わりには、広めの空き地があり、そこには主が去って久しい朽ちつつある水越集落が突如現れる。土佐国境の一本松の土豪、篠森氏が長曾我部に追われて落ち延びた場所とされ、400年その子孫の篠森性の一族によって栄えた場所だ。篠森神社はこの廃村をさらに上った山筋にひっそりとたたずむ。朽ち果てた村とは別に、神社はいまだに人の手が入り状態は良く、新鮮なお供え物や榊、寄進者の記名された石碑によって、かつての住人の尊崇をいまだに集めていることを物語る。昭和30年ごろには30戸の集落であったが平成7年には最後の主が去り、無主の廃村となって25年が過ぎた。神社寄進者一覧がすでにこの場所に住んでいない人物で固められていることから、廃村になってから新設されたもののようだ。ただ元からこの場所に何かお社があったのかは分からないが、25年過ぎた今も氏子に守られており、この地に対する住人の思い入れの強さと、何かこの地に生きた証を残したいという思いを強く感じずにはいられない。