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四角錐に荒削りされた石柱。一文字だけ梵字が刻まれています。道の側からは梵字が見えないので、自然石のように見過ごしてしまいますから、何かの目的を持った石碑とは気付きにくいかと思います。梵字の書かれた方向が信仰の対象となるものがある方向で、梵字の前にそれを崇める人がいるのですから、これは、この石碑が道行く人のために作られたからではなく、そこで何かをする人のためにあるものと気づきます。では、信仰の対象となるものが何かというと、梵字の真西には大門の磨崖仏がありますから、山で隠れた磨崖仏を遥拝するのが目的のように思います。今は田んぼになっていますが、この近くには石仏がちらほらあることから、大昔は修行僧の草庵でもあったのかもしれませんね。そう思わせる、素朴な梵字です。